「食感」に関する考察とまとまりマッシュについて

 皆さんこんにちは。少しお堅い題名にしてみましたが、まったく大した話ではありません。
 11月になり、かなり寒くなってきましたが、今夏は休暇を頂いて、とても久しぶりに海外、オーストラリアへ行ってきました。
 おいしいものもいっぱいありましたが、その中で私のベストは市場で売っていたサラダバーでした。4種類選んで詰めてくれます。私の選んだのはこの容器のもので、左からなんだか具がいっぱい入ったポテトサラダ、赤キャベツのサラダ、バジルガーリックパスタサラダ、一番右はタコス風味のサラダです(右の小さなツブツブが何かわかる人いらっしゃいましたら教えてください)。蓋は完全にしまっていないほどパンパンで、重みはずっしりでした。

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 週末だけ開いているマーケットで、前日夕に見て、食べたいなあと思いつつ一晩我慢して翌朝買いに行ったのですが、朝はこんな感じで所狭しとカラフルなサラダとスイーツとパニーニとキッシュが売っており、眼福(こういう時には使わないかもしれませんが)でした。
 食べてみると、味はもちろんのこと、特筆すべきは多種多様な食感で、いろんな食材が混ざったものが、どんどん喉を通っていく感じがたまらなく好きでした。

 「食感」に関しては、味と同じく、好みの個人差が大きいところだと思います。ちなみにリハ科の門野先生は均一な食感を好まれるとのことで、なめらかプリンがお好きとのことです。私もなめらかプリンも好きなのですが、更にこの雑多な食感と、こういった多種多様な食材が身体に入っていく感じは、味だけではなく元気がチャージされるように感じがありさらに大好きです。

 さて、おいしい話は尽きないのですが、本題に入ります。
 当院の患者さんは、飲み込みが難しかったり、過敏があったりでうまくお食事をお口から召し上がることが難しい方が多くいらっしゃいます。食事の「形態」はもちろん安全に食べていただけることが一番ではあります。けれど飲み込みが難しい方たちの中にも、食いしん坊の方も、食事以外に対する興味が強い方もいらっしゃいますし、私は以前から「味」優先の方や、「雑多な食感好き」の方、「均一な食感を好まれる」方がいらっしゃるのではないかと思っていました。小さいころから飲み込みが難しい方への食形態として「発達期摂食嚥下障害児(者)のための嚥下調整食分類2018」(詳しくはhttps://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/formuladiet_immaturestage2018.pdf)というものがありますが、その中の「まとまりマッシュ」という形態は、雑多な食感とのど越しと嚥下しやすさを兼ね備えているようで私の好みです。ただ、胃瘻からのごはんにはなりえず、食材を細かくしたりくず粉を使ったりという事で少しとっつきにくい形態でした。
 簡単にお家でも作ることができるといいなと思っていたところ、他院の先輩の先生から勧めていただいた物があります。赤ちゃんの離乳食作成のメーカーのものでoxoベビーフードミル、というものです。当院で作成している方法とは異なりますが、ご飯とおかずでまとまりマッシュ(に近い)形態となるとのことで、現在注文してみたところです。もしすでにお使いの方がいらっしゃいましたら、コツや使用感教えていただけると嬉しいです。あくまでも、安全に食べられる方で、私のようなのど越しと食感好きの方には良い情報なのではと思っています。
 もちろん院内給食で作成しているようなまとまりマッシュを作成することも可能です。ご自宅で簡単に、とは言えないかもしれませんが当院のまとまりマッシュの作成方法はセンターYouTubeの「ちゅうぼうたんけん」に掲載しています(【栄養管理】ちゅうぼうたんけん。)もしご興味のある方がいらっしゃいましたら確認してみてくださいね。
 患者さん皆さんがもし食事で元気になったり楽しい時間を過ごせるならこんなに嬉しいことはありません。ご不明な点やご相談があればいつでも外来に相談いただければと思います。

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毛利純子(小児外科医師)