パーソナルベスト○○

 皆さんこんにちは。ご無沙汰しています。

 現在非常勤医師として勤務しています小児外科の毛利です。

 この春から勤務先が変わり、良い刺激を頂いている一方、色々な意味で当院のすばらしいところを再認識しています。 

 さて、先日、ご縁があり「短腸症候群の会」という会でお話をさせていただく機会がありました。私に課せられた話題は何らかの理由で腸が短くなってしまった方たちの「排泄」に関してでした。お食事中の方、ごめんなさい。大きな方の排泄、つまりう○ちについてです。これがなかなか難しくて、皆さんそれぞれの病状や大切にしているものがあるので一概に言えることは多くないのです。排便については、便性(う○ちの硬さ)が大切なのですが、そのことをお伝えするにあたって「パーソナルベスト便性」、つまりご自分の中で体調の良い硬さを大切にしましょうとお伝えしました。

 パーソナルベスト、主に陸上競技などタイムを競う競技でよくつかわれる言葉ですが、いわゆる自己最高記録ですね。(ちなみにパーソナルベストは英語でもそのままpersonal bestで、パーソナルベストをwikipediaで探すとなぜか「CoCoパーソナルベスト」という1993年発売のCoCoというアイドルのベスト・アルバムが出てきました。なんでだ。)

 そういったことを考えていると、食べることと一緒かなと思えてきました。当院の患者さんの中には全部お口から食べることが難しい方や、胃ろうをもっている方も多くいらっしゃいます。でも、その方なりの一番のお食事が見つかればよいのかなと思うのです。つまり、食べるものの形態(軟らか・マッシュ・ペーストなど)でお口から召し上がられるならもちろんそのままで、半分程度はお口から召し上がられるならそれを大切に、ほとんどが経管(胃ろうやお鼻のチューブ)だけど味見ができてお好きならそれを大切に、経管以外は難しいけれど胃ろうからのお食事がご本人・ご家族の楽しみの時間となるならそれを大切に、で良いですしとてもステキなことだと思うのです。周りと比べたり、あまりに高い目標をたてて疲れてしまわないようにまずはラクに楽しいお食事を。胃ろうからの注入食を含むお食事に関する困りごとは「胃ろう・栄養外来」でご相談をお受けしています。また定期的に行っている調理実習を含むグループ外来も次回は来年226日(木)に予定しています。

 また、一般社団法人短腸症候群の会は「小腸が短いか、機能していない患者や家族の相談受付中」とのことです。こちらもお互い知恵を出しあって少しでも心地よい暮らしができるために、ご関心のある方は下記リンクからどうぞ。

胃ろう・栄養外来に関するページ

https://www.pref.aichi.jp/addc/eachfacility/tyuuou/clinic/Special/peg.html

当センターYouTubeから関連動画も視聴可能です

https://www.youtube.com/channel/UCaLq0W8A3Pjlkn6N0VJgmsQ

一般社団法人短腸症候群の会 

http://short-bowel-synd.seesaa.net/index-2.html

毛利 純子(小児外科医師)